ケーキ屋でパティシエとして働き
怪我をして製菓材料を販売する店の店長として勤務していた私が
過去に多く質問を受けた事を記事にしていくシリーズ第1弾!
今回はバニラエッセンスとは何か?ということと、
バニラエッセンスとバニラオイルとの違いです。
先に結論を書くと
- バニラエッセンスはケーキ・生菓子用
- バニラオイルは焼き菓子用
- バニラエクストラクトはナチュラルなバニラエッセンス
ということです。
では、詳しく見ていきましょう。
バニラエッセンスとは
一般的にバニラエッセンスとは、「バニラの香料」だと思っている方が多いと思います。
間違いではないのですが、バニラエッセンスはバニラの香り成分をアルコール類に抽出させたものです。
アルコールに抽出させているので、加熱することで香りが飛びやすくなります。
そのため、ムースなどの生菓子に使うのが望ましいです。
ここ数年で本物のバニラビーンズがかなり高騰しているので、バニラエッセンスを使う方もいらっしゃると思います。
ただ、バニラエッセンスも500円以下のものから2,000円近くするものまであります。
その違いは、ナチュラルなものかどうかです。
例えるなら、本物のカニとカニカマぐらい違います。
安価なバニラエッセンス
安価なものも、確かにバニラエッセンスと書いています。
バニラの香りがアルコールに溶け込んでいるのも同じです。
何が違うかというと、バニラの香りそのものが合成されたものです。
アルコールの中に合成バニリンという、化学合成した香料が溶けています。
そのため非常に安価にバニラの香りを添加することができるのです。
なので、合成バニリンを含んでいる安価なバニラエッセンスは
カニカマのポジションだと思っています。
高価なバニラエッセンス
文章上、高価なバニラエッセンスと名付けましたが
商品名としては、バニラエクストラトと表記されることが多いです。
英語表記がVanilla extractなので、バニラエキストラクトと表記されることもありますが同じものです。
これは、正真正銘、人工の香料を使わず本物のバニラビーンズをアルコールに漬け込むことで香りを抽出したものになります。
位置づけ的には、こちらが本物のカニですね。
天然由来になるので、当然ですが価格も上がります。
そして、どうしても化学合成の合成バニリンより香りが弱くなるので
使用する量も安価なバニラエッセンスより多く使う必要があります。
安価なものは、様々なところで販売があるかと思いますが
バニラエクストラトは限られたところでしか店頭に並ばないので
通販を使ったほうが入手しやすいと思います。
バニラオイルとは
バニラエッセンスとは違い、バニラオイルは「オイル」なので
バニラの香りをオイルに抽出したものになります。
バニラオイルは、加熱に強いのでクッキーなどの焼き菓子に使います。
しっかり使い分けよう!
店長時代に
「バニラエッセンスはあるので、オイルじゃなくても大丈夫ですか?」
という質問が結構ありました。
用途が全く違うので、代わりが効かないと言いたいところですが
正直、バニラの香りを重要としている物を作らないのであれば
数滴のバニラエッセンス・バニラオイルを入れる程度では
ほとんど出来栄えは変わらないのが現実です。
「卵臭さを和らげる」という話もありますが、ほとんど変わらないです。
ただ、バニラクッキーやバニラムースなどを作るとなると
しっかり用途を知っていたほうがいいかと思います。
本当であれば、バニラビーンズをたっぷり使いたいところですが
かなり高騰してしまいましたからね・・・
最近では、バニラビーンズペーストという便利なものもありますので
こちらを検討するのも手だと思います。
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